東京高等裁判所 昭和53年(行ケ)150号 判決
一 原告主張の請求原因事実は、すべて当事者間に争いがなく、右請求原因事実によれば、本件審決には原告主張の違法があり、取消されるべきである。
二 よつて、本件審決の違法を理由にその取消を求める原告の本訴請求を正当として認容する。
〔編註〕 本件における当事者の主張は左のとおりである。
第二 請求の原因
原告訴訟代理人は、請求の原因として次のとおり述べた。
一 特許庁における手続の経緯
原告は、「NAMCO」のローマ文字を袋字で陰線を出し、それぞれの文字の端部を連結して横書きに表わして成る商標について、第一一類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、昭和五〇年一月三一日商標登録出願をし、昭和五二年一一月二五日拒絶査定を受けたので、昭和五三年一月一八日審判を請求したところ、特許庁は、同庁昭和五三年審判第一四七八号事件として審理し、同年七月二五日「本件審判の請求を却下する。」との審決をし、その謄本は同年八月九日原告に送達された。
二 審決の理由の要点
本件出願の拒絶査定の謄本は、昭和五二年一二月一七日出願人(本訴原告)の代理人に送達されたところ、本件審判の請求は、右送達の日から三〇日を経過した後の昭和五三年一月一八日にされた不適法な請求であり、その欠缺は補正することができないものであるから、商標法第五六条において準用する特許法第一三五条の規定によりこれを却下すべきものである。
三 審決の取消事由
(一) 本件出願の拒絶査定の謄本は、昭和五二年一二月一九日出願人の代理人に送達されたものである。なお、審決認定にかかる右拒絶査定謄本の送達日(同月一七日)は、所轄郵便局の誤つた郵便物配達証明書の記載にもとづいてされたものに過ぎない。
(二) したがつて、昭和五三年一月一八日にした本件審判の請求は、右送達の日から三〇日以内にされた適法なものであるのに、これを不適法な請求として却下した審決は、違法であつて取消されるべきものである。
第三 被告の答弁
被告指定代理人は、「原告主張の請求原因事実は、すべて認める。」と述べた。